結婚式を行うとなると
避けては通れない費用の問題。
自分たちだけではなく、
両家が絡んでくることも
この問題が難しいと言われる所以です。
結婚式費用の負担割合、
みんなはどうしてる?
両家でどんなふうに分担すればいいの?
考えれば考えるほど
難しい問題ですよね。
そこで今回は、フリーランスの
ウェディングプランナーが
結婚式の費用の負担割合や分担方法について
さまざまなケースをご紹介します。
パートナーやご両家との
話し合いの参考にしていただければ
幸いです。
結婚式費用の負担割合!一般的な両家の分担方法をジャッジ
まずは、先輩カップルが
どのように結婚式費用を支払っているのか、
負担割合について考えてみましょう。
負担割合の分配方法は多々ありますが、
もっとも一般的な方法は
それぞれにかかった項目の費用を
それぞれが支払うというもの。
詳細は「ゲスト人数や衣装代など
各自かかった分を負担」の章で
説明しますが、金額に関係なく、
項目ごとに考える人が多いようです。
結婚式費用の負担方法パターンを紹介
続いては、結婚式費用の負担割合を
計算する方法について
パターン別に詳細を見ていきましょう。
さまざまな方法がありますが
どの方法がもっともよい
ということはありません。
自分たちに合う方法を
考えることが大切です。
両家で完全に折半
まず一つ目は、両家で完全に折半する
というパターンです。
たとえば300万円かかったら
両家それぞれが150万円ずつ負担する
ことになります。
メリットは明朗簡潔で
煩わしい計算が必要ないということ。
両家で事前に話し合い、
「今回の結婚式の予算は〇〇〇万円」
と初めに決めておけば
金銭感覚の違いから生じる
トラブルの発生も防げます。
デメリットは
相手方に発生した費用であっても
負担する可能性があるということ。
ゲスト数が多くなればなるほど
料理や飲み物、ギフトに関わる費用は
増えていきます。
衣装に関しては、
新郎よりも新婦の方が高額になるケースが
ほとんどでしょう。
この理屈で考えると、
- ゲスト数が少ない方が損をする
- 新郎側が損をする
ということにもなりかねません。
この方法をとる場合は、
両家と新郎新婦の事前の取り決めが
非常に重要になってきます。
ゲスト人数や衣装代など各自かかった分を負担
現在、もっとも多くの先輩カップルが
とっている方法です。
- 自分の方で呼んだゲストに関わる費用
- 自分の衣装や美容にかかった費用
など、発生した事由が明確な項目については
そのままの金額を各自の負担とします。
- 挙式料
- 会場使用料
など、両家共通に発生した費用は折半とし、
それぞれの金額を合計して
各自の負担金額とします。
また、ゲスト数で両家の絶対割合を計算し、
両家共通に発生した費用についても
その割合を適用することもあります。
たとえば、両家のゲスト数の割合が
6:4であれば、10万円の挙式料を
6万円と4万円に分けて負担する
という計算方法です。
この方法は、理にかなっており、
後々のトラブルを防げるという理由から
かなり広く浸透しています。
かかった分に関わらず新郎(新婦)家が多めの割合
これは、結婚式費用の総額がいくらであれ、
〇割は新郎側(新婦側)が負担する
というパターンです。
この方法が用いられる場合、
根底に「嫁取り」「婿取り」という
考えがあります。
「嫁(婿)にもらうのだから
新郎(新婦)家がたくさん出す」
という考え方です。
この場合は
両家の認識が合致していることが
最重要ポイントとなります。
一方が「お金を出してもらうことで
この結婚で上位に立たれたくない」
という考えがあるのであれば
トラブルの火種になってしまうことも。
両家で事前によく話し合うことが大切です。
どちらかが全額出し一方は出さない
数としては多くはありませんが、
どちらか一方がまったく出さない
こともあります。
このパターンも、上記と同様の考え方に
依存しているケースが多いようです。
例外としては、
- 新居の援助は新郎(新婦)家が
行うので、結婚式の支払いは
相手方にお願いしたい - 両家のいずれかが
結婚に反対しており、
結婚式は片祝いで行う
などが考えられます。
現在の日本の法律では
「嫁取り」「婿取り」という制度は
ありません。
婚姻届を提出すると
2人とも親の戸籍から除籍となり、
夫婦2人の新しい戸籍が作られます。
その際に、どちらの姓を名乗るかで
世帯の筆頭者が決まります。
そのため、特別な場合を除いて
「入籍」することはありません。
特別な場合とは、結婚を機に
相手の親の子供として
養子縁組を組むなどが挙げられます。
この場合は、養子の親が費用を多めに
もしくは全額負担することも
少なくありません。
このような認識にズレがあるまま
費用の負担割合を決めてしまうと、
両家間のトラブルにもつながることを
忘れてはいけません。
結納金なしなら新郎家が結婚式費用を出すべきなのか
この問題についての結論は
「両家の認識による」ことになります。
先述のとおり、現在の日本には
「家制度」がありません。
そのため、法律の解釈によっては
結納金を納めるという考え方も
当然とは言えない向きもあります。
ですが、家制度の名残として
結納を行うケースも多いのが現状です。
そもそも結納とは、
結婚の成立を確約するために
品物などを取り交わすことを言います。
本来は、帯や着物などの
婚礼衣装を贈っていたものが
時代の流れとともに、結納金を贈り
「これで花嫁衣裳を準備してください」
という意味合いのものになってきています。
そのため、結納金は正しくは
「帯料」「小袖料」などと言われ、
現代ではこのお金を
婚礼衣装のレンタル料に充てるケースも
増えてきました。
このことから「結納金がない場合は
新婦の衣装や支度料を
新郎家が負担するべき」と
考える人もいます。
ですが一方では「家制度はないのだから、
嫁(婿)をもらうという概念がない。
だから結納は必要ない」
と考える人もいます。
そのため、結納金なしであっても
必ずしも新郎家が結婚式費用を出すべきとは
言えないのです。
両親からの結婚式費用の援助!気になる疑問をチェック
何かとお金がかかる結婚式において
親からの援助はとてもありがたいもの。
事実、70%もの先輩カップルが
親からの援助を受けています。
詳細はこちらの記事で確認しましょう。
⇒結婚式の費用は親が出すもの?負担してもらう割合の平均とは?
ですがよく考えてみると「援助」とは
どういうことなのか、
いまいちよくわからないという人も
いるのではないでしょうか。
続いては親から結婚式費用の
援助を受ける場合について
よく聞かれる疑問についてお答えします。
援助は贈与扱い?贈与税の有無
結婚式費用の援助となれば
金額も数万円ではないことが
ほとんどでしょう。
そこで気になるのは贈与税の問題です。
まず「結婚式の費用を誰が払うか」
という問題に対してのルールはありません。
本人が支払っても、親が支払っても
あるいはそれぞれがお金を出し合っても
全額支払えれば問題はないのです。
それは「お金の出所がわからない」ことを
意味します。
そのため、結婚式費用の援助については
「贈与」とはみなされず、
贈与税も課税されないケースが
多いようです。
加えて、2014年には
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る
贈与税の非課税装置」が始まっており、
結婚や子育てに関する資金については
最高1000万円まとめて贈与できます。
結婚式費用が1000万円を超えるケースは
稀ではありますが、
心配であれば援助額を1000万円以下に
収めておくと安心です。
親でもマナー?お礼の要・不要
結婚式費用を援助してもらったら
お礼をしなければ失礼になる?
そんな疑問を持っている人もいるでしょう。
言うまでもなく、感謝の気持ちを伝えたい
という心がけはとても大切です。
ですが、新しい人生を歩き始めた新郎新婦が
親に対してできる本当のお礼は
幸せな人生を歩む以外にありません。
あらたまって
金銭や物品のお礼をしたとしても
親がそれを望まない場合もあります。
一方、確実に親が喜んでくれる
お礼もあります。
結婚式の様子がわかる写真アルバムや
夫婦で行ける旅行をプレゼントするだけでも
お礼の気持ちは伝わるでしょう。
ご祝儀を差し引きした額の扱い方
結婚式をすると
ゲストからご祝儀をいただきます。
親に結婚式費用の大半を
負担してもらう場合は、結婚式後に
手元にご祝儀が残ることになります。
このご祝儀はどうしたらいいのでしょうか?
2人のものとしてよいものなのか、
親へ渡すべきなのか、
悩む人も多いでしょう。
この場合は「結婚式の主催者が誰であるか」
が重要なポイントになります。
主催者が親であった場合は、
親へご祝儀を渡した方がいいでしょう。
ですがこの場合は、そもそも親からのお金は
援助ではなく、結婚式を行うにあたって
発生した費用の支払いです。
考え方としては
「新郎新婦はお金のことはノータッチ」
ということになります。
ですが、新郎新婦が主催者の結婚式に
親が援助をしてくれたのなら、理論上は
親へご祝儀を渡す必要はありません。
「理論上」としたのは、親が
「援助ではなく支払い」
と考えていることがあるからです。
この場合、親はご祝儀額(見込み)を
差し引いた金額を
実質支払額と考えています。
後から入ってくるご祝儀をあてにして
結婚式費用を支払っているのです。
このようなトラブルを防ぐためには
事前に結婚式の主催者を
明確にしておくことが不可欠です。
結婚式では
「〇〇家〇〇家ご両家結婚御披露宴」
という宴席名を付けることが
多くありますが、これは両家主催の
披露宴であることを意味します。
もしも新郎新婦主催であることを
明確にしたいのなら、両家名を出さずに
新郎新婦のファーストネームを
宴席名とする方が確実です。
ご祝儀をどう扱うかは
そのような配慮を行った上で
判断することが大切です。
まとめ
結婚式の費用をどう負担するかは
非常にデリケートな問題です。
もっともトラブルを回避できる方法は
援助を受けず自分たちで
結婚式を行うことですが、
なかなかそうもいかないのが難しいところ。
こちらの記事では
ご祝儀を差し引いた後の
自己負担額の相場を紹介しています。
まずは自己負担額を予測して
結婚式の内容を工夫し、
自分たちで支払える金額に
調整してみるのも一つの方法です。
いざ支払いの時になってから
「どうする?」となるのはトラブルのもと。
費用のことは事前にしっかり話し合い、
すっきりとした気持ちで
結婚式当日を迎えましょう。